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第1回 戦略的な投資をしよう

これから全3回で、ソフト会社の経営変革の方向性について考えてみたいと思います。

1.ソフト会社に人材が来なくなった

ソフト会社各社は現在、仕事はあるが、優秀な人材が確保できないという問題に直面しています。
ネット求人サイをみると多くのソフト会社が意匠をこらした求人広告を出ていますが、全然応募がないという会社の声を多く聞きます。
日経新聞08年8月21日号に、DTS社長の赤羽根氏が述べているように、「急成長したため、働きやすい職場をつくる努力が後回しになった」「システム納入前の残業や休日返上など、ハードな勤務が多い」ということが求人側に認識されたという面も大きいと思います。
また、第2新卒でソフト業界に入ったが、他社の職場に行かされるだけでつまらない業界だという記事も目にしました。
ただ、同氏が言うように「急成長のひずみはどの産業も経験することであり」「ソフト業界もこれを機に魅力ある職場をつくり、名実ともに花形産業と言わせる」ような産業にしていくことが必要です。
単に給与を高くすることでは、魅力のある職場にはなりません。
経営陣の努力と経営変革が求められているのです。

2.投資で会社の差がつく

魅力的な会社に変革するための第一は、戦略的な投資をすることです。
多くのソフト会社はスキルがある人を採用し、その人のスキルに応じてどこかの会社の仕事に当てはめようとします。営業マンは何の努力もなく、付き合いのあるソフト会社に行き、「こんちは何か仕事ありませんか」の御用聞き営業になっています。
会社としては、設備投資、人材投資、営業投資などの何の投資もしないでそこそこの大きさの会社を作ることができます。
このようなダボハゼ式の仕事の作り方では、今いかに儲かっていても、また、社員数がいかに多くても、会社の強みがなく、次の不況が来たときに真っ先に淘汰されるか、社員から未来が見えない会社、こき使われるだけの会社として敬遠されることになります。
魅力的な会社に変革するためには、先行投資をする必要があります。
儲かったから、皆で海外旅行に行こうとか、良い車を買おうと言う前に、将来に向けた投資をして欲しいのです。
経営変革努力をしたA社の場合、ある業界の受付予約システムのASPサービスを始め、お客さんをつかみ、いろいろな受注をしています。
B社の場合は、WEB系ソフトの代理店となり、そのための開発環境、人材育成をし一定の業務を受注しています。投資をしない会社は滅びます。
どんな産業も投資をして、大きくなっているのです。
ソフト業界は投資しなさすぎと思っています。
銀行からお金を借りても、事業開発やシステム開発環境、人材育成に投資し、そのリターンをめざす経営が必要になります。
強みのある会社は、その部分では上流の仕事をやれ、付加価値が高く、不況になって他の派遣的な会社はいち早く切られてもその会社は残ります。
私はソフト会社と、自分の会社はどんな業務、技術に強い会社になるのか3年の中期目標を立て、それを今年度はどこまでやるのか実施ステップを考え、実現に向かって一緒に努力することを行っております。
中期目標は社員に発表しウヤムヤにしないようにしています。
なにかのきっかけをつかみ、会社の将来をつくる投資をしていただきたいと思います。

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