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ルイス・ガースナーのIBMの革新

「巨像も踊る」ルイス・ガ―スナー著から、ガ―スナーが社員に送った「原則によるリーダーシップ」について抜粋したもの。
IBM社員の動機づけに役に立ったと著者は言う。

原則によるリーダーシップ

1.市場こそが、すべての行動の背景にある原動力である

IBMは自社が取り組むべき事業と、それぞれの事業のあり方について、自分たちの考え方に固執しすぎている。
じつは、業界全体がおなじ問題に直面している。
業界全体が顧客を混乱させる技術を開発しては、すぐに陳腐化させる罪を犯してきた。
IBMは顧客に奉仕し、それによって競争相手を打ち破ることに注力しなければならない。
企業の成功は何よりも顧客との関係の成功によってもたらされるのであり、それ以外ではありえない。

2.当社はその核心部分で、品質を何よりも重視する技術(テクノロジー)企業である

当社はどのような会社であり、どのような会社になるべきかについて、さまざまな議論が戦わされている。
その必要はない。答えは簡単に得られるからだ。
情報技術がつねに、当社の最大の強みになってきた。必要なのは、この知識を集めて、何よりも顧客のニーズを満たす製品を開発することだ。
そうすればハードウェア、ソフトウェア、サービスなどの他の分野にとっても利益になる。

3.成功度を測る基本的な指標は、顧客満足度と株主価値である

これも、会社を外部の目で眺める必要があることを強調する方法のひとつである。
わたしは就任一年目に、ウォール街のアナリストを中心とする多数の人たちから、今後のIBMの成功度をどのような指標で判断できるのか、営業利益率なのか、売上高伸び率なのか、その他の指標なのかと質問された。
わたしが知っているかぎり最善の指標は株主価値である。
そして、顧客満足度が高くない企業は、財務面でもその他の面でも成功を収められない。

4.起業家的な組織として運営し、官僚主義を最小限に抑え、つねに生産性に焦点を合わせる

これは当社にとって困難な過大だが、新たな市場は超高速で変化しており、当社はこれまでの方法を変える必要に迫られている。
最高の起業家的組織は、既存事業を拡大するとともに新規事業を見つけ出すことによって、技術革新を受け入れ,賢明にリスクをとり、成長を追及する。これはまさに、当社が必要としている考え方である。
IBMはもっと速く動き、もっと効率的に働き、もっと賢明に資金を使わなければならない。

5.戦略的なビジョンを見失ってはならない

どの事業でも、成功を収めようとするのであれば、目指す方向とみずからの使命についての感覚をもっていなければならず、それによって、どの立場でどの仕事をしている社員でも、全体の中での自分の位置と自分の仕事の重要性を認識していなければならない。

6.緊急性の感覚をもって考え行動する

わたしはこれを「建設的なせっかちさ」と呼ぶ。
当社は研究、調査、委員会、議論に秀でている。
だが、この業界では現在、すぐれた見識よりも素早い動きのほうが大切な場合が少なくない。
計画と分析を行うのが悪いわけではない。いまただちに仕事を完成させることを犠牲にしてはならないだけである。

7.優秀で熱心な人材がチームとして協力しあう場合にすべてが実現する

官僚制と縄張り争いを終わらせるには、当社がチームワークを、とりわけ顧客への価値の提供に専念したチームワークを大切にし、それに報いることを全員が認識するようにするのが最善の方法である。

8.当社はすべての社員の必要とするものと、事業を展開するすべての地域社会に敏感である

これは温かい言葉というにとどまらない。
当社はすべての社員が成長する機会とそのために必要な資源を得られるよう望んでいる。
そして、当社が事業を行う地域社会が、当社の存在によってより良いものになるよう望んでいる。

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